こんにちは、けあむすび編集部です。
今回は、福祉系のお仕事について、資格の有無や業務内容などを学んでいきます。
福祉系の仕事は、年々需要が増え続けているといわれています。
ひと口に「福祉系」といっても、仕事内容は多岐に渡ることをご存じですか?今回は福祉系の仕事について、どんな場所で誰を対象として働くのか、資格の要不要や業務内容を交えながら紹介していきます。
福祉系の主な仕事分野
福祉系の仕事は、主に5つの分野に分かれています。
まずはそれぞれが誰を対象に、どんなことをしているのか簡単に紹介します。
高齢者福祉
1つ目の分野は高齢者福祉です。
高齢者の生活安定や健康維持、社会活動への参加促進を目的とし、1963年に施行された「老人福祉法」などの法律で規定されています。分かりやすいところでは、特別養護老人ホームなどでの施設介護や、利用者の自宅に介護ヘルパーを派遣する訪問介護など、様々な仕事の場があります。
障害福祉
2つ目の分野は障害福祉です。
障害のある方が日常生活を送り、社会活動へ参加できるように支援することを目的としています。知的障害、身体障害、精神障害のほか、病気を原因とする障害を持つ人も対象となっていて、ホームヘルパーや福祉作業所といった施設が該当する分野です。
児童・女性福祉
3つ目の分野は児童・女性福祉です。
子どもや女性を対象とする福祉分野で、主に子育てに関する支援を行うことを目的としています。身近なところでは、保育園や児童館もこの分野のサービスのひとつです。
医療福祉
4つ目の分野は医療福祉です。
その名の通り医療機関において提供される福祉サービスのことで、乳児から高齢者まで幅広い人々が対象になります。病院やリハビリテーション施設はもちろん、訪問看護もこの分野のサービスのひとつです。
地域関連の福祉
5つ目の分野は地域関連の福祉です。
その地域に居住しているすべての人に対して提供される福祉サービスのことで、安心して生活を送れるように、住民同士のつながりや関わり合いを支援することを目的としています。民生委員やボランティアコーディネーターがこの分野に該当する仕事です。
仕事によって資格の要・不要は変わる
福祉の仕事というと、資格が必要だというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
実際のところ、仕事内容によって資格の要・不要は異なります。自分が興味ある分野・仕事では資格が必要なのかを、ここからの記事でぜひチェックしてみてください。
高齢者福祉にまつわる仕事とは?
それぞれの分野において、実際の仕事内容を詳しく紹介します。
まずは福祉の中でも需要の高い高齢者福祉から学んでいきましょう。
さまざまな場所で活躍できる仕事
高齢者福祉の分野では、働く場所が多く存在しています。
高齢者福祉にまつわる施設例
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護付き有料老人ホーム
- 訪問介護事業所
- デイサービス
- グループホーム
- 病院 など
お住まいの地域でも多く目にする施設ばかりではないでしょうか。
特に最近ではデイサービスや訪問介護事業など、入所型ではないサービスの需要が高まり、施設数も増加傾向にあります。超高齢社会において、高齢者福祉は私たちの生活のすぐそばに存在する分野なのです。
では、これらの施設の中ではどのような福祉の仕事が行われているのでしょうか。詳しく確認していきましょう。
介護士・ケアワーカー(介護福祉士など)
【職場】介護支援が必要な施設全般
【資格】不要
介護を必要とするさまざまな施設で働いているのが、この職種です。日常生活を送るうえで必要な介護支援を行う職員全般を指しています。介護士・ケアワーカーとして働くために必要な資格はなく、無資格でもチャレンジできる仕事です。
ただし、介護士の中でも「介護福祉士」と名乗るためには国家資格が必要となります。介護福祉士は介護士・ケアワーカーの一員ですが、専門的な知識を持ち国家試験に合格する必要があります。介護士同様に介護支援を行うことがメイン業務ですが、キャリアを重ねることで職員の指導や管理職としての役割がプラスされていきます。
訪問介護員・ホームヘルパー
【職場】訪問介護事業所、訪問入浴介護事業所など
【資格】要(介護福祉士、ホームヘルパー2級・1級、介護職員初任者または介護福祉士実務者研修課程修了)
介護者の自宅等に訪問し、介護サービスを提供する仕事です。食事や入浴などの身体介護や、外出の移動支援、調理・洗濯・買い物といった生活援助を行います。支援の対象は利用者本人のみとなり、同居家族のサポートは対象外です。利用者の日常生活支援を主な目的としていて、日常の範囲外となる援助(大掃除やペットのお世話など)は行いません。また、医療行為の提供ができない点も特徴となっています。
介護保険に基づく訪問介護を提供する場合は、国家資格である「介護福祉士」もしくは「介護職員初任者研修課程」を受講し、修了証明書の交付を受けることが必要です。
一方で、クラウドケアのような介護保険外での訪問介護サービスについては必ずしも資格が必須ではありません。利用者のニーズに応じ、自分のスキルに合った仕事から始められるので、これから介護の仕事に携わりたい人にも始めやすい分野といえます。
介護支援専門員・ケアマネジャー
【職場】居宅介護支援事業所、介護が必要な施設全般
【資格】要(介護支援専門員)
居宅介護支援事業所や介護保険施設に必ず配置しなければならない職業です。介護を必要とする人の相談に応じ、その人に合った介護サービス計画(ケアプラン)作成や、必要施設との調整などを行います。対象者の状態にあったプラン作りが求められるため、豊富な経験や知識が求められる仕事です。
生活相談員(ソーシャルワーカー)
【職場】介護が必要な施設全般
【資格】要(社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれか)
介護サービス利用者が円滑に支援を受けられるようにサポートするのが生活相談員の仕事です。施設利用の手続きや介護サービス計画に基づいた援助計画作り、それを基にした必要連携機関との調整など、仕事内容は多岐に渡ります。対象は介護サービス利用者だけでなくその家族も含まれるため、各種相談にも応じる職種です。また地域との連携も生活相談員の仕事のひとつで、ボランティアや実習生の受け入れにも対応します。
なお、生活相談員になるための資格要件は自治体ごとに定められており、上記の資格以外に「同等以上の能力を有すると認められる者」と併記されていることがあります。その場合、実務経験ありの無資格者または異なる資格でも応募できる可能性があります。
支援相談員
【職場】介護老人保健施設
【資格】要(社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれか)
介護老人保健施設に入所する利用者の在宅復帰に向けて支援を行う仕事です。仕事内容は生活相談員と同様ですが、対象施設が介護老人保健施設に限られています。
介護老人保健施設は要介護度1~5かつ入院の必要がないものの、自宅に戻るまでにリハビリテーションや自立支援を必要とする人が入所する施設です。退所後、利用者が在宅での生活を続けられる見込みがあることを確認するまでが仕事となっています。
資格要件として社会福祉士などの資格保有が必要となっていますが、実は自治体によって要件が変わることがあり、資格がなくても支援相談員として働くことができるケースも存在しています。実務経験や介護福祉士資格の保有など地域によって異なるため、まずは自分が住む自治体の必要条件をチェックしてみましょう。
サービス提供責任者
【場所】訪問介護事業所
【資格】要(介護福祉士、介護福祉士実務者研修課程修了など)
サ責とも呼ばれるこの仕事は、訪問介護事業所の利用者が質の高い介護サービスを受けられるように調整を行います。具体的な仕事内容は、サービス利用申し込みの手続きや、介護サービス計画に基づいた訪問介護計画の作成、利用者の状況把握、各種必要施設との連携、訪問介護技術に関する教育や業務管理など、多岐に渡るのが特徴です。
ケアマネジャーや生活相談員と混同されやすい職種ですが、サービス提供責任者の職場は訪問介護事業所に固定されています。また介護サービス計画を作るのはケアマネジャーで、サービス提供責任者や生活相談員は作られたプランを基に介護計画や支援計画を作成するのが特徴です。
その他
高齢者福祉を支える仕事はほかにも多く存在しています。利用者の状態に合わせて福祉用具の選定や使用指導、メンテナンスを行う福祉用具専門相談員や、事業所への送迎を行う介護・送迎ドライバー、介護施設で事務を行う介護事務職など、仕事内容はさまざまです。自分に合った業務を探してみましょう。
今後も高需要状態が続く見込み
2024年現在、日本国民のおよそ29%が65歳以上の高齢者である「超高齢社会」に突入しています。平均寿命も年々伸び続けており、高齢者福祉の需要は今以上に高まっていく見込みです。そのため求人においても売り手市場が続くと予想されています。
障害福祉にまつわるお仕事とは?
続いては障害福祉にまつわるお仕事を紹介します。
障害福祉の分野では介護福祉士や訪問介護員など、高齢者福祉と重なる部分も多々あるため、ここではそれ以外の仕事をピックアップしました。
生活支援員・就労支援員
【場所】障害者支援福祉施設など
【資格】不要
障がい者の生活や就労に関する手助けを行う仕事です。生活支援員が生活全般を、就労支援員が求職活動の支援を行います。また生活支援員は障がい者の生活面に特化する仕事ですが、就労支援員は障がい者だけでなく就労が困難な生活保護、母子世帯への支援も含まれるのが特徴です。
いずれも利用者の障害の状況にあった指導やサービスが求められ、本人やその家族との綿密な関わり合いが必要となっています。生活支援員・就労支援員になるための資格は不要ですが、利用者や家族との距離が近く、相手に合ったプランが求められるため、知識があるとより良いとされています。施設によっては社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格を必須にしているケースもあるため、その都度確認が必要です。
職業指導員
【場所】就労移行支援・就労継続支援(A・B型)事業所
【資格】不要
働くうえで必要な知識や技術の指導を行い、技術の定着や自立した活動ができるよう支援をする仕事です。就労支援員とは違い、勤務先は就労移行支援・就労継続支援事業所に限定されています。
仕事内容は製品の仕分け、清掃作業、食品加工や木工作業などさまざまです。利用者それぞれが持つ障害の状況や、本人の意向を踏まえながら指導や支援を行うため、利用者としっかりと向き合うことが求められる仕事でもあります。
資格要件は特にありませんが、作業所によって行う仕事が異なるため、それぞれの仕事に対するスキルが求められることがあります。また作業所によっては介護職員初任者研修課程の修了や、社会福祉士などの国家資格を求められる場合もありますので、確認が必要です。
障害者居宅介護従事者(ホームヘルパー)
【場所】訪問介護事業所
【資格】要(介護職員初任者研修課程修了など)
障がい者の自宅を訪問して身体介護や排泄介助、生活援助を行い、自立した日常生活を送るための支援を行う職業です。障がい者が家族と同居している場合、家族からの相談や介護指導も行います。
利用者宅に訪問してサービスを行うため、利用者や家族との距離が非常に近いのが特徴です。支援技術はもちろん、コミュニケーション能力も求められる仕事となっています。
サービス管理責任者
【場所】障害者支援福祉施設など
【資格】要(サービス管理責任者)
障害者支援福祉施設において利用者がサービスを受けるために必要な支援や、施設で働く職員の指導・育成支援、他施設との連携を行うのがこの仕事です。障がい者が支援を受けるためには「個別支援計画」という計画書が必要になります。利用者の障害の状態や、どのような支援を求めているのかを基に作られるのですが、この計画書の作成もサービス管理責任者が行う仕事です。
就労開始後も5年ごとに資格更新の研修を受講する必要があり、専門的な知識を常にアップデートしながら働く必要があります。
ガイドヘルパー
【場所】訪問介護事業所、障害者支援福祉施設、社会福祉協議会など
【資格】要(同行援護従事者養成研修、行動援護従事者養成研修、全身性障害者移動介護従業者養成研修課程修了)
1人での外出が困難な障がい者の外出サポートを行う仕事です。障害の内容は問わず、身体障害や知的・精神障害などさまざまな方が対象となります。ただしそれぞれの障害に応じて必要となる資格条件が変わるため、注意が必要です。
視覚障がい者への支援では同行援護従事者養成研修の修了が求められます。歩行の誘導や道路状況の説明など、周囲の状況を伝え安全に配慮することに特化した研修です。知的・精神障がい者への支援では行動援護従事者養成研修の修了が必要となっています。問題行動への対処や安全を確保するための知識・技術を学びます。
四肢麻痺等の全身にわたる機能に障がいを抱える方への支援では全身性障害者移動介護従業者養成研修の修了が推奨されています。四肢麻痺等の全身にわたる機能障害は車いす利用者や寝たきりなど状況が多岐に渡るため、それぞれに合った移動技術や知識を学び、習得します。
相談支援専門員
【場所】指定相談支援事業所、基幹相談支援センター
【資格】要(相談支援従事者初任者研修課程修了)
障がい者本人の意向を基に、自立した日常生活を送るために必要なサービスをピックアップして利用計画を立て、支援を行っていく職種です。利用者の意向を反映させることが重視されているため、生活支援サービスや就労機関など必要機関との連携が求められます。
相談支援専門員となったあとも5年ごとに相談支援従事者現任研修を受講する必要があり、常に知識の蓄積が必要な職業です。
その他
障害福祉にまつわる仕事はほかにも多岐に渡ります。例えばケースワーカーは公的機関に所属し、障がい者や高齢者から福祉に関する相談を受けて支援計画や福祉サービスとの連携を図る仕事です。そのほかにも障害者支援施設で働く職員や送迎ドライバー、身体的障害面では手話通訳士や義肢装具士など、障害の内容に応じて必要とされる仕事は多岐に渡ります。
児童・女性福祉にまつわる仕事とは?
続いて紹介するのは児童・女性福祉にまつわる仕事です。
身近な仕事から子どもの発達に深く携わる仕事まで、さまざまな職種があるのでチェックしていきましょう。
保育士
【場所】保育所、児童養護施設など
【資格】要(保育士)
児童・女性福祉関連の仕事の中で、最も身近な職業である保育士。保育所をはじめ、児童養護施設や子育て支援センターなどでも働くことができます。乳児から就学前の子どもを預かり、食事や生活補助、遊びといった保育活動を行う仕事です。
児童指導員
【場所】児童福祉施設
【資格】要(児童指導員任用資格)
児童養護施設や放課後等デイサービスといった児童福祉施設で、生活・学習指導や自立支援、レクリエーション、療育を行う仕事です。就労する施設によって仕事内容が変わります。
例えば児童養護施設で働く場合、入所児童は施設で生活を送っているため、より日常生活に近い環境での生活支援が必要です。放課後等デイサービスでは障害がある児童を対象に、保護者の就労時間中の預かりを実施し居場所を確保する役割があります。
母子支援員
【場所】母子生活支援施設
【資格】要(社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、または実務経験など)
母子生活支援施設に入所する母子の生活をサポートする仕事です。母子生活支援施設にはDVや経済的困窮など、さまざまな問題で手助けを求めていたり、子どもの養育を十分に行えなかったりする家庭が入所します。そういった家庭の生活支援や学習サポート、就労支援を行いながら退所に向けて自立のサポートをしていく職業です。
児童発達支援管理責任者
【場所】障害児通所・入所支援施設
【資格】要(児童発達支援管理責任者研修課程修了)
放課後等デイサービスや児童発達支援センターなどの施設において、児童ひとりひとりに合った個別支援計画書の作成や、施設で働く職員の指導・管理を行うのが仕事です。児童や保護者への聞き取りを基に目標や必要なサービスを選定し、計画書を作成していきます。またその計画書にあったサービスが正しく提供されているか、適正かどうかといったチェックも児童発達支援管理責任者の業務です。
この仕事では資格取得後も5年ごとに更新研修が必要となり、知識のアップデートが常に必要となります。
児童相談所相談員(児童福祉司・児童心理司)
【場所】児童相談所
【資格】要(地方公務員+実務経験(※児童福祉司のみ))
児童相談所で働きながら児童の生活や心理状態へのサポートを行う職業です。児童福祉司は児童や親、学校などの関連施設と面談を行い、必要な支援や指導方法を考え実行していく仕事です。児童心理司は心理面に特化し、児童の心理検査や家族へのカウンセリング、心理療法を行います。
その他
児童・女性福祉に関する仕事はさまざまな施設で行われています。例えば児童養護施設では、入所児童の保護者に対して相談・支援を行うファミリーソーシャルワーカー(家庭支援専門相談員)が活動中です。
学校ではいじめや不登校といった状況に対し改善支援を行うスクールソーシャルワーカー、居場所を問わず問題を抱えた家庭に対し相談・支援を行う子ども家庭ソーシャルワーカーなどが挙げられます。
医療福祉にまつわる仕事とは?
続いては医療福祉にまつわる仕事を紹介します。皆さんにとっても身近な職業も多いのではないでしょうか。
看護師
【場所】病院、訪問看護ステーション、介護保険施設など
【資格】要(正、准看護師)
看護師は医療行為が必要とされるさまざまな施設において、傷病者の看護や診察の補助を行う職業です。病院以外にも介護老人保健施設や保育所など、看護を必要とする施設で勤務を行います。
理学療法士(PT)
【場所】病院、訪問看護ステーション、介護老人保健施設など
【資格】要(理学療法士)
理学療法士は傷病などで身体的機能を損傷した患者に対し、回復に向けたリハビリテーションを行う職業です。医師の指導を基にマッサージや運動指導、電気や温熱を使った療法を行い、日常に必要な基本動作の訓練を行います。
作業療法士(OT)
【場所】病院、訪問看護ステーション、介護老人保健施設など
【資格】要(作業療法士)
作業療法士もリハビリテーションを行う職業のひとつです。理学療法士が基本動作の訓練を行うのに対し、作業療法士は作業に特化して訓練を行います。例えば体を起こす、立ち上がるといった動作は理学療法士の訓練で行い、その状態で着替えをする、洗顔をする、といった作業の訓練を行うのが作業療法士です。
言語聴覚士(ST)
【場所】病院、訪問看護ステーション、介護老人保健施設など
【資格】要(言語聴覚士)
言語聴覚士は耳や口、喉に対するリハビリテーションを行う職業です。耳は聴覚への訓練や補聴器調整といった支援、口は言語の認知や発声・発語の訓練、喉は飲食物の嚥下訓練などが該当します。
社会福祉士
【場所】自治体、病院、介護老人保健施設など
【資格】要(社会福祉士)
さまざまな障害や生活に困難を抱える人の相談に乗り、必要な福祉・医療サービスにつなげるのが社会福祉士です。対象となる相手は高齢者や障がい者、経済的困窮がある人など多岐に渡るため、豊富な知識とそれを組み合わせて最適な案を生み出す力が求められます。
医療ソーシャルワーカー(MSW)
【場所】病院、保健所など
【資格】不要
医療ソーシャルワーカーは病院や保健所において、患者とその家族が抱える悩みや問題点に向き合い、問題解決に向けた援助を行う仕事です。例えば退院後の生活や経済的な不安、介護に対する悩みなど、相談内容は幅広くなっています。
就労条件として必須の資格はありませんが、一般的には社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を求められる傾向があります。なお、国や自治体のMSWとして働く場合は、公務員試験の合格が必要です。
精神保健福祉士
【場所】病院、訪問看護ステーション、グループホームなど
【資格】要(精神保健福祉士)
精神保健福祉士は心の病を抱える人やその家族に対し、生活安定や社会復帰に向けた支援や訓練を行います。心の病は患者ひとりひとりとしっかり向き合うことが重要なため、豊富な知識のほかコミュニケーション能力も強く求められる仕事です。
臨床心理士
【場所】病院、児童相談所、学校など
【資格】要(臨床心理士)
心に悩みを抱えている人に対し、臨床心理学の観点からサポートを行うカウンセラーです。
具体的にはカウンセリングや心理検査を行い、心の中で抱える悩みがどんなものかを探り、解決の支援を行います。
その他
医療福祉にまつわる仕事は、視覚障がい者の歩行訓練を行う歩行訓練士、音楽を用いて心や体の回復を促す音楽療法士などがあります。どの仕事も心や体の回復を目的として行われる仕事で、専門的な知識を要するため資格が必要です。
最後は地域福祉にまつわる仕事について紹介します。
私たちが日常生活を送る地域には、さまざまな福祉が存在しているのをご存じですか?その一部を覗いてみましょう。
コミュニティソーシャルワーカー(CSW)
【場所】社会福祉協議会、地域包括支援センターなど
【資格】不
地域に住む住民のさまざまな悩みに対して、支援先を探しサポートを行う職業です。悩みごとの内容は幅広く、近隣住民とのトラブルや日常生活の悩みなど、地域で暮らしていくうえで生じる問題に対応します。
CWSになるための資格は不要ですが、社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格といった資格を求められることも多いため、募集要項をしっかり確認しましょう。
日常生活自立支援事業専門員
【場所】社会福祉協議会
【資格】要(社会福祉士)
認知症や知的障害、精神疾患などによって地域での自立した生活が難しい人に対し、福祉サービスが利用できるようサポートを行う仕事です。疾患を持つ本人はもちろん、家族にも聞き取りを行いながら、病院や介護支援専門員などと連携をとり地域の中で安心して暮らせる環境作りを行います。
なお、専門員は原則として社会福祉士の資格が必要とされていますが、実際には精神保健福祉士や社会福祉主事任用資格など福祉にまつわる資格保持者が働いているケースも少なくありません。地域によって募集要項が異なるので、応募資格を確認してみましょう。
ボランティアコーディネーター
【場所】社会福祉協議会、NPO法人、社会福祉施設など
【資格】不要
ボランティアを必要とする人とボランティアを行いたい人を結びつける仕事です。ボランティア活動には炊き出しや清掃といった避難生活の支援から、子どもや高齢者の話し相手など、さまざまな活動内容があります。ボランティアしたい人が個人で動くと受け入れ側の負担が大きくなるケースもあるため、コーディネーターの力が必要です。
民生委員・児童委員
【場所】個人活動
【資格】不要(民生委員法で定められた要件を満たす人)
自らが暮らす地域を担当区域とし、住民の生活上の悩みに対して必要な支援へつなぐ役割を持った職業です。民生委員になるには厚生労働大臣から委託される必要があり、委託後は特別職の地方公務員(非常勤)という扱いになります。民生委員としての特定の職場はなく、活動はボランティアのため給与の発生はありません。(交通費や通信費、研修参加費などの実費は支給)
保健師
【場所】保健センター、保健所、学校など
【資格】要(看護師+保健師)
人々が健康的な生活を行えるように保健指導を行う仕事です。看護師とは違い病気やけがを防ぐ指導を行うのが特徴で、地域住民の健康相談や乳幼児健診の場で働いています。保健師になるには保健師資格のほか看護師資格も必要で、健康維持のための豊富な知識が求められるのが特徴です。
支援が必要な人の世界に寄り添うのが福祉の仕事
福祉業界での仕事は幅広い年代のさまざまな悩みに対し、寄り添いながら支える仕事です。相手の話をしっかりと聞いて受け止める包容力はもちろん、最適な支援につなげるための知識も求められます。
大変ではありますが、非常にやりがいのある仕事です。福祉の仕事は年々需要が高まってきています。自分に向いている仕事はどんなものなのか、この機会にぜひ考えてみてください。