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訪問介護員は(ホームヘルパー)資格が必要? 仕事内容や働くメリットについて解説!

こんにちは、けあむすび編集部です。

今回は、訪問介護員(ホームヘルパー)について、学んでいきます。

高齢者の相談に乗る介護士

高齢者の相談に乗る介護士

訪問介護員(ホームヘルパー)は、利用者の居宅を訪問し、必要な介護や身の回りのサポートを行う専門職です。
現在、急速に進む高齢化により、介護職の重要性がますます増しており、訪問介護員を志す方も増えています。
なかには、「訪問介護の仕事をしたいけれど、自分にできるか不安だ」と思う方もいるかもしれません。
この記事では、訪問介護員になるには資格が必要なのか、仕事内容や働くメリットについて徹底解説。
記事の後半では、身体介護を行うのは不安という方向けの働き方や、キャリアアップを目指せる国家資格についても紹介します。
訪問介護の仕事に興味がある方、または既に介護職に携わっている方は、ぜひ、最後までごらんください。

訪問介護とは

訪問介護とは、訪問介護員が 高齢者や障がい者の居宅に訪問し、日常生活を支援する介護サービスです。
訪問介護員は、利用者の生活に欠かせない、食事の準備や掃除、入浴の補助、薬の管理など、日常生活のさまざまな側面をサポートします。これにより、利用者は、自宅での生活を維持しながら、自分らしい生活を送ることができます。

訪問介護の対象者

訪問介護の対象者は自宅で生活している高齢者や身体障がい者、認知症の方です。訪問介護は、日常生活を自立して行うことが難しい方や、専門的なケアを必要とする方々が自宅で快適に生活できるように支援を提供します。なお、ここでいう「自宅」には、介護サービスを直接提供していない老人ホーム等も含まれます。

訪問介護の役割と需要

訪問介護は、利用者の身体的、精神的な健康を維持し、在宅での生活を支える重要な役割を担っています。利用者の健康状態を定期的にチェックし、必要に応じて医療機関との連携を図ることで、早期に異常を発見することが可能です。

高齢化社会の進展に伴い、訪問介護の需要は年々高まっています。多くの高齢者や障がい者が、施設に入所せずに自宅での生活を希望しており、訪問介護はそのニーズに応えるための重要なサービスです。

さらに、訪問介護は、介護を担う家族の負担軽減にも重要な役割を果たしています。近年では、働きながら介護を行う「ビジネスケアラー」とよばれる方が増加し、仕事と介護の両立に悩む方も多いのが現状です。訪問介護は、このようなビジネスケアラーの精神的・肉体的な負担の軽減にも大きく貢献しています。

訪問介護員(ホームヘルパー)とは

訪問介護員は、ホームヘルパーとも呼ばれ、介護が必要な方の自宅を訪問して利用者の身体介護や生活援助を行います。
サービス内容は、食事の準備や掃除、洗濯、買い物代行、入浴や排泄の介助など、支援内容は多岐にわたり、高齢者や障がい者が自宅で安心して生活を維持できるようサポートを行います。

訪問介護員は、利用者の個々のニーズに応じたケアを提供し、利用者が自分らしい生活を送るためのサポートを行います。また、利用者の健康状態や生活環境の変化を敏感に察知し、必要に応じて適切な対応を取ることが求められます。そのため、利用者との信頼関係を築くことが重要と言えるでしょう。

訪問介護員は、利用者の生活を支える大切な存在であり、今後ますますその役割が重要になると考えられています。

訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事内容

食事の用意をする介護士

食事の用意をする介護士

訪問介護員(ホームヘルパー)の仕事内容は多岐にわたりますが、大きくわけると、身体介護、生活介護、通院等乗降介助の3つです。
ここでは、訪問介護員が提供する主要なサービスについてひとつずつ紹介します。

身体介護

身体介護とは、利用者の身体に触れて介護を行うものです。

食事介助

食事介助は、利用者が食事を安全に摂取できるようにサポートすることです。食事を食べさせる介助や、義歯の洗浄のお手伝いも含まれます。嚥下障害を持つ方には、誤嚥に気を付けて慎重に介助を行う必要があります。

排泄介助

排泄介助は、トイレへの誘導や衣服の着脱、おむつ交換などの排泄動作をサポートするものです。排泄は利用者の健康面において大変重要な部分です。適切な介助を行うことで感染症の予防や皮膚の健康を維持します。

入浴介助

一人での入浴が難しい場合、入浴介助を行います。入浴は身体の清潔を保つだけでなく、リラックス効果もあるため、利用者の心身の健康維持に重要です。身体の状態を観察し、適切な介助を実施します。

更衣介助

外出時や就寝時の衣服の着脱を介助します。身体機能を維持しつつ、利用者の尊厳を傷つけないためには、全てを介助するのではなく、できることは本人にやってもらうことが大切です。利用者の能力を見極めることも重要なスキルです。

服薬介助

服薬介助は、利用者の健康を守るために欠かせません。薬を飲ませる介助や、飲み忘れがないかの確認を行います。適切な服薬管理により、病気の予防や症状の安定化を図ります。

体位変換

寝たきりの場合、同じ体勢を続けると血行障害が起こり、褥瘡(じょくそう)が発生することがあります。褥瘡とは床ずれのことで、悪化すると感染症の原因になったり、組織が壊死したりするため、定期的に体位変換を行う必要があります。

移乗・移動介助

ベッドや車いすなどに移乗する際の介助や、自宅内でトイレやベッドへの移動をサポートします。転倒を予防し、危険なく移動を介助するためには、適切な技術と配慮が求められます。

整容介助

整容介助は、洗顔や洗髪、化粧など身だしなみを整えるお手伝いをすることです。衛生面のケアはもちろん、利用者の精神面の向上も目的としています。

生活援助

生活援助とは、利用者の身体には触れず、日常生活を支援する活動を指します。

掃除・洗濯

自分である程度の身の回りのことはできるけれど、片付けまでは難しいという場合には、掃除や洗濯などの生活援助が利用されます。清潔な環境を保つことは、利用者の健康に直結します。

買い物・調理

利用者に代わって買い物をしたり、買い物の付き添いをしたりすることも訪問介護員の仕事です。また、栄養バランスを考慮して調理を行うこともあります。健康的な食事を提供することで、利用者の体力を維持し、健康をサポートします。

通院等乗降介助

通院等乗降介助では、介護タクシーや公共交通機関を利用して目的地までの移動をサポートします。
介護保険が適応される範囲は、自宅から医療機関の受診手続きまでであり、院内介助や受診の待ち時間はサービス提供時間に含まれません。ただし、認知症や特定の疾患により、常に見守りが必要な場合や、病院のスタッフや利用者の家族で対応が難しい場合は、通院等乗降介助の算定対象となることがあります。

乗降時の介助には、例えば車いすの使用や、歩行が困難な利用者の支援、医療機関への受診手続きのサポートが含まれます。また、通院等乗降介助は、役所での手続きや選挙の投票、日用必需品の買い物などの目的にも対応できます。

なお、通院等乗降介助を利用するには、ケアマネジャーが作成するケアプランにこのサービスが含まれている必要があります。

介護保険内の訪問介護でできないサービス

介護保険内の訪問介護でできないサービスとは?

介護保険内の訪問介護でできないサービスとは?

介護保険内の訪問介護は、ケアマネジャーが事前に作成したケアプランの内容に沿って実施する必要があります。

このケアプランには、利用者の個々のニーズに応じたサービスが含まれますが、訪問介護で対応できる範囲は限られています。
ここでは、訪問介護でできないサービスについて詳しく説明します。

医療行為

訪問介護員は、医療行為を実施することはできません。
医療行為とは、医師や看護師、歯科医師など、医療資格を持つ者のみが実施できるものです。
訪問介護員が行えるケアには「医療的ケア」がありますが、医療行為と医療的ケアの線引きは明確にされています。正しい知識がないと、知らずのうちに違法な行為を行ってしまう可能性があるため、注意が必要です。

訪問介護員に実施できない医療行為

褥瘡の処置、インスリンの注射、摘便のほか、眼軟膏の使用や吸入薬の介助、経皮吸収型製剤の使用は医療行為にあたるため医療資格がないと実施できません。

褥瘡の処置のうち、汚れたガーゼの交換や創の周囲の水洗いなどは訪問介護職員でも実施可能ですが、褥瘡部分への消毒や軟膏の塗布は認められていません。これらの医療行為のサポートが必要な利用者の場合は、ケアマネジャーが適切な医療処置を受けられるサービスをケアプランに優先的に組み込む必要があります。

訪問介護員が一部実施できる医療ケア

体温、血圧測定、カテーテルを通した尿の廃棄、ストーマのパウチに溜まった排泄物の破棄(肌に接着したパウチの取り換えを除く)、市販の浣腸器を用いた浣腸、点眼、座薬の挿入、鼻腔粘膜への薬剤噴霧、湿布の貼付などは訪問介護員が行っても問題ありません。

その他、爪切りや耳掃除、歯磨きなども訪問介護員が実施できますが、例外があるため注意が必要です。爪周囲に化膿や炎症がある場合や、重度の歯周病、耳垢塞栓の除去が必要な場合などは医療行為とみなされ、介護職員が実施することはできません。専門的な判断や管理が必要な場合には、訪問介護員によるケアができないため注意しましょう。

日常必要ないと思われる行為

酒類など嗜好品の購入や娯楽に関することは、保険の適用範囲外となります。介護保険が適用される訪問介護は、利用者の健康と安全を維持するためのサービスのみに限られています。

家事の範疇を超えた行為

大規模な家事や修理、引っ越しの手伝いなど、日常的に行われる家事の範囲を超える行為も介護保険の適用対象外となります。

本人以外の援助となる行為

家族のための料理や来客へのお茶出しなど、本人以外の援助も介護保険の適用外です。また、同居家族が家事をできる状態である場合は、食事の準備や洗濯などの生活援助を利用することができません。(同居家族に障がいや病気があって家事ができないケースや、日中不在である場合には、利用が認められることがあります)

趣味・余暇・旅行などの外出

趣味や余暇、旅行などの外出は介護保険の適用となりません。介護保険を利用した訪問介護員は、事業所が作成する訪問介護計画書に基づき、利用者のニーズに応じたサービスを提供しますが、介護保険が適用となる範囲はあくまでも「日常生活を支えること」が目的です。

ただし、介護保険外(自費)の訪問介護であれば、趣味や余暇などの外出にも対応ができるため、必要に応じて使い分けましょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)の1日のスケジュール例

介護職員の一日は多忙ながらも充実したものです。

1日のスケジュール例を見てみましょう。

  • 8:00 朝の準備と1軒目の訪問

訪問介護員の一日は早朝から始まります。朝の準備を終えたら、最初の利用者の自宅へ向かいます。訪問先では、利用者の健康状態を確認し、朝食の準備や服薬の介助、身支度のお手伝いなど必要なケアを提供します。

  • 10:00 次の利用者の自宅へ移動

1軒目の訪問が終わったら、次の利用者の自宅へ移動します。この間に、利用者の状況などを確認し、必要な準備を行います。

  • 12:00 昼食と休憩

午前中の訪問が終わったら、昼食と休憩を取ります。この時間を使って、午前中の業務を振り返り、午後のスケジュールを確認します。休憩時間を有効に使い、リフレッシュすることで午後の業務に集中できます。

  • 13:00 午後の訪問開始

午後の訪問を開始します。午後は、利用者の入浴介助や排泄介助、日常生活のサポートなどを行います。訪問先での業務内容は多岐にわたり、利用者一人一人のニーズに応じたケアを提供します。

  • 17:00 最後の訪問と業務終了

最後の訪問を終えたら、業務終了です。訪問介護員は、一日の業務を終えた後も、次の日の準備を行ったりします。記録と準備を入念に行うことは、継続的なケアをスムーズに行うために重要です。

訪問介護員(ホームヘルパー)のメリット

訪問介護員として働くことには、多くのメリットがあります。
以下にその一部をご紹介します。

やりがいがある

訪問介護員は、利用者から直接感謝の言葉をもらうことが多く、その笑顔を見ることで大きなやりがいを感じます。利用者の生活を支える役割を果たしている実感が得られ、日々の業務に対するモチベーションも高まるでしょう。

人間関係の悩みが少なくて済む

訪問介護員は、訪問先の利用者と1対1で接するため、職場内での人間関係の悩みにわずらわされることがありません。職場でのストレスが少ないため、精神的にも安定して働くことができます。

キャリアアップできる可能性がある

訪問介護員は、経験を積んで介護福祉士を目指すなど、キャリアアップを目指せる職業です。介護福祉士は、介護職唯一の国家資格であり、資格を取得することで収入アップや転職、待遇の面で有利になる可能性があります。また、介護福祉士としての資格を活かし、介護業務全般を担うほか、介護現場のリーダーとして活躍するチャンスも広がります。

介護福祉士の受験資格を得るには、以下の4つの方法があります。

  1. 専門学校や大学で単位を取得する養成施設ルート
  2. 「従業期間3年以上かつ従事日数540日以上の実務経験」および「介護福祉士実務者研修の修了」の条件を満たす実務経験ルート
  3. 福祉系高校で単位を取得し高校を卒業する福祉系高校ルート
  4. インドネシア、フィリピン、ベトナム国籍の方が、実務経験3年以上で必要な講習や研修を履修する経済連携協定(EPA)ルート

働きながら介護福祉士の資格取得を目指す場合には、2の実務経験ルートがおすすめです。実務経験ルートで受験する場合、試験は筆記のみで実技試験が免除されるというメリットもあります。

ライフスタイルに合わせて働きやすい

訪問介護員は、働きたい時間や曜日を選ぶことができるため、ライフスタイルに合わせやすい職業です。土日や夜間対応の訪問介護もあり、柔軟に働くことができます。そのため、月~金は別の仕事をしている方が、副業として週末に訪問介護の仕事をしているケースも見かけます。

訪問介護員は、利用者の生活を支えるだけでなく、自分自身のライフスタイルにも合わせた働き方ができるというメリットがあるため、多くの人にとって魅力的な職業となっています。

訪問介護員(ホームヘルパー)のデメリット

訪問介護員(ホームヘルパー)は、利用者の生活を支える大切な役割を果たしますが、その仕事にはいくつかのデメリットも存在します。

身体的、精神的なストレスがかかる場合がある

介護には体力を必要とする場面が多く、身体的な負担が大きいことがあります。例えば、移乗や入浴介助などの際には、利用者を安全にサポートするために多大な体力を使います。また、利用者の健康状態や気持ちに敏感に察知して対応しなければならないため、人によっては精神的に負担を感じることがあります。

勤務時間が不規則

訪問介護員の勤務時間は、利用者の都合に合わせて変動することが多いため、不規則になることがあります。早朝や夜間の訪問が必要な場合もあり、家族の事情や自身の生活リズムとの調整が求められる場面もあるでしょう。一方、早朝や夜間のみ働きたい、というニーズに応えやすい点は魅力でもあります。

居宅までの移動が必要

訪問介護員は、1日に数件の居宅を訪問することが一般的です。そのため、訪問先までの移動に時間と手間がかかることがあります。交通手段や移動距離によっては、移動時間が長くなることもあり、これが負担となる場合があります。特に、天候が悪い日や交通機関の遅延がある場合には、予定通りに移動ができず、スケジュール調整が必要になることもあるでしょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)に向いている人

訪問介護員(ホームヘルパー)に向いている人って?

訪問介護員(ホームヘルパー)に向いている人って?

訪問介護員として成功するためには、いくつかの特性やスキルが求められます。その一部をご紹介します。

人と接するのが好きな人

介護員は利用者と直接対面する機会が多いため、人と接するのが好きな人に向いています。利用者は、訪問介護員とのコミュニケーションを通じて安心感や信頼感を得るため、思いやりのある行動が求められます。また、利用者の家族とも連携して支援を行うため、円滑なやり取りができることも強みとなります。

体力に自信がある人

訪問介護は体力を必要とする仕事です。1日に数件の居宅を訪問し、その都度介護を行うため、体力に自信がある人に向いています。疲れた素振りを見せず、常に笑顔でケアを行うには体力と精神力の両方が必要です。

柔軟に対応できる人

訪問介護の現場では、利用者のニーズや体調によって予定通りにケアが進まないことがあります。そのような場合でも、臨機応変に対応できる柔軟性が求められます。予期せぬ事態が発生した際にも冷静に対応し、必要な機関との連携を行うなど、最善の方法を考え出す能力が必要です。

自立して仕事を進められる人

訪問介護は、利用者の居室を一人で訪問するため、自立して仕事を進めることができる人に向いています。はじめはサポートを受けながら仕事を進めますが、最終的には知識や技術を自分のものにして働けるようになることが重要です。自立心と責任感を持って業務を遂行する能力が求められます。

訪問介護員(ホームヘルパー)は資格が必要

資格がなくても、介護保険外であれば、仕事としてサービスを提供することは可能です。
ただし、訪問介護員として、利用者の身体に触れる身体介護などを含むサービスを行うためには、介護職員初任者研修の修了など、指定の研修や資格が必要です。ここでは、訪問介護員として働くために必要な研修や、現在では介護職員初任者研修や実務者研修に移行されたホームヘルパー1~3級の資格について順番に見ていきましょう。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、訪問介護員として働くために必要な基本的な研修です。130時間の研修で介護に関する知識と技術を学びます。この研修を修了すると、1人で身体介護ができるようになり、利用者宅に伺ってサービスを提供する訪問介護員として働くことができます。

介護職員初任者研修を取得するには、座学と実技の講習を受ける必要があります。資格スクールなどに通い、全て通学で受ける方法と、通信講座と通学を組み合わせる方法の2つの方法で取得が可能です。働き方や生活スタイルに合わせて選択しましょう。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、訪問介護員として働く人のステップアップとして、介護福祉士を目指す人に必要な研修です。この研修では、より高度な知識と技術を学び、介護の専門性を高めます。カリキュラムは450時間と定められており、実技では喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアについても学びます。実務者研修を修了することで、介護福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。

介護福祉士

介護福祉士は、介護に関して一定の知識や技能を習得していることを証明する国家資格です。3年以上の実務経験と実務者研修を修了することで受験できます。介護福祉士になると、介護職におけるリーダーとしての働き方が期待され、給与アップも見込めます。介護福祉士は、介護現場での指導など、多岐にわたる役割を担います。

生活援助従事者研修

生活援助従事者研修は、掃除、洗濯、買い物、調理など生活援助中心のサポートを行いたい方に向けた研修です。生活援助中心の介護を行うために、必要な知識と技術を学ぶ59時間の研修を受けます。身体介助に自信がない方や、介護の仕事を始めるにあたって不安がある方は、はじめのステップとして生活援助従事者を目指すのもよいでしょう。

ホームヘルパー3級、2級、1級について

ホームヘルパー3級~1級の制度は2013年に廃止されました。

現在、ホームヘルパー3級と同等の資格として生活援助従事者研修、ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修、ホームヘルパー1級は介護福祉士実務者研修に移行しています。

しかし、資格が無効となったわけではなく、現在でもホームヘルパーの資格を活かして訪問介護員として働くことは可能です。旧ホームヘルパーの資格と研修制度との違いについて見てみましょう。

ホームヘルパー3級

ホームヘルパー3級は実務経験の必要がなく、資格取得時間が50時間と短いことから、介護の仕事にチャレンジしたい方の入門的な資格として人気がありました。

しかし、ホームヘルパー3級を取得してできる業務は買い物や調理、洗濯などの生活支援業務が中心で、利用者に触れる身体介護を行うことはできません。そのため、無資格の人と行える仕事の幅が変わらず、資格取得のメリットが少ないことが問題となっていました。

そこで、資格廃止後に、生活支援を行うための資格として「生活援助従事者研修」が登場しています。生活援助従事者研修は、スクールに通って59時間の講習を受けることで資格取得が可能です。ホームヘルパー3級と生活援助従事者研修は、家事などを中心とした生活援助を行う点は共通していますが、研修時間が9時間増え、研修の内容も異なります。

ホームヘルパー3級保有者が生活援助従事者研修を受講する場合、研修の12時間分が免除されます。なお、介護職員初任者研修では13時間、介護福祉士実務者研修では30時間の免除が受けられるメリットもあるので、ホームヘルパー3級の資格を持っている方はステップアップを目指してみるのもよいでしょう。

ホームヘルパー2級

ホームヘルパー2級は、「介護職員初任者研修」に移行しました。しかし、ホームヘルパー2級の資格がなくなるわけではありません。そのため、改めて初任者研修を取得しなくても、ホームヘルパー2級取得者は、介護職員初任者研修取得者と同等の業務が可能です。

ホームヘルパー2級は、訪問介護員に必要な知識・技術を身につけることを目的として、座学のほかに介護業務を行っている施設で30時間の実習を行う必要がありました。しかし、介護職員初任者研修では、この施設実習は必須ではなく、代わりに認知症の理解についての新たな学習科目が追加されています。また、介護職員初任者研修を修了するには、修了試験に合格する必要がある点も大きな違いです。

なお、ホームヘルパー2級を保有している方が介護福祉士実務者研修を受けると、450時間の研修のうち130時間が免除され、修了期間を大幅に短縮することができます。

ホームヘルパー1級

ホームヘルパー1級は「介護福祉士実務者研修」に移行しました。ホームヘルパー1級は、ホームヘルパー2級取得者を対象に、主任ヘルパーの養成を目的とした資格です。ホームヘルパー1級を取得するには、介護技術や福祉用具の操作法に関する講義や演習、介護実習を230時間受講する必要がありました。

一方、介護福祉士実務者研修は、ホームヘルパー1級よりも幅広い知識と高いスキルを修得できる点が特徴です。具体的には、介護の質の向上を目的に医療的ケアと介護課程3の科目が追加となり、喀痰吸引や経管栄養の実施ができるようになりました。さらに、ホームヘルパー1級は訪問介護に特化していたのに対し、実務者研修では訪問介護以外でも業務が可能となっています。実務者研修修了者は、国家資格である介護福祉士の受験資格が得られることも大きな違いです。

現在でもホームヘルパー1級の資格を活かして働くことはできますが、介護福祉士実務者研修取得者と比較すると、担える業務が狭いことに注意しましょう。ホームヘルパー1級保有者が介護福祉士実務者研修を受ける場合、450時間の受講時間が95時間に短縮できます。介護現場で、より幅広い業務を担い、質の高いケアを提供したい方にとっては、介護福祉士実務者研修の取得は有用な選択肢といえるでしょう。

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料の目安

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料の目安とは

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料の目安とは

訪問介護員(ホームヘルパー)の給料は、事業所の規模、勤務形態、地域、所持している資格によって異なります。
ここでは、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」を参考に、給料の目安を紹介します。

常勤の場合

2022年に行われた介護従事者に対する厚生労働省の調査によると、訪問事業所で働く介護職員の平均給与額は、常勤で約31.7万円、非常勤で約19.4万円となっています。(基本給に手当や一時金などを含む)

地域によって差があり、東京都や神奈川県、大阪府、愛知県など主要都市で平均給料が高い傾向があります。また、介護職員初任者研修や、介護職員実務者研修、介護福祉士などの資格を取得していると資格手当が支給されることがあるため、収入アップが見込めます。

パートの場合

地域や介護の内容によってが、訪問介護事業所で働く介護職員の平均時給は1,290円です。生活援助に比べ、身体介護は時給が高く設定されていることが多い傾向にあります。また、夜勤の場合は手当が支給されて、時給が高くなります。

パートの時給は、働く地域や事業所によっても大きく差がありますが、ひとつの目安として参考にしてください。
クラウドケアの場合、時給1,500円〜2,000円と、業界でも高水準の時給です。
さらにご依頼によっては、時給3,000円超も可能です。資格をお持ちの方はもちろん、お持ちでない方も大歓迎です。

訪問介護員(ホームヘルパー)の働き方

訪問介護員の働き方は、正社員、パート、登録ヘルパー、派遣ヘルパーなどさまざまです。

それぞれの働き方の特徴とメリットについてご紹介します。

正社員・パートで働く

シフト制で利用者の居宅を訪問します。利用者宅への移動が必要になりますが、契約時間内は常に給料が発生することや、利用者と信頼関係を築きやすい点がメリットです。正社員として働く場合、安定した収入と福利厚生が期待でき、キャリアアップの機会も多くなります。パート勤務の場合は、働きたい時間や曜日を選べるため、ライフスタイルに合わせやすいのが利点です。

登録ヘルパーとして働く

登録ヘルパーは、働きたい曜日や時間を登録し、その時間に勤務する働き方です。収入面は安定しづらいですが、融通が利くため、ライフスタイルに合わせて働きたい場合に適しています。例えば、副業として訪問介護の仕事をしたい人にとっては、登録ヘルパーの働き方が魅力的でしょう

派遣ヘルパーとして働く

派遣ヘルパーには、数カ月の契約期間を定めて勤務する登録型派遣と、最長6カ月間の期間を経て直接雇用に切り替えることを前提とした紹介予定派遣の2種類の働き方があります。派遣ヘルパーは、一般的にパートよりも時給が高く、自分の希望条件に合った勤務先を見つけやすいのがメリットです。また、数カ月ごとに異なる施設で働くこともできるため、フレキシブルに働き方を変えたい人や、さまざまな現場でスキル形成がしたい人にもオススメです。

訪問介護員(ホームヘルパー)の働く場所

訪問介護員(ホームヘルパー)のはどこで働ける?

訪問介護員(ホームヘルパー)のはどこで働ける?

訪問介護員(ホームヘルパー)の働き方は、働く場所によってさまざまです。
高齢者住宅や施設、高齢者や障がい者の自宅の2つにわけられます。それぞれの特徴を解説します。

高齢者住宅や施設で働く

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の職員として働き、施設内の居室を訪問するという働き方です。施設内の居室を訪問してケアを行うため、移動の負担が少ないのがメリットです。施設内では、複数の利用者に対して効率的にサービスを提供することができ、同僚との連携もしやすくなります。

高齢者や障がい者の自宅で働く

訪問介護員は、高齢者や障がい者の自宅に伺って、身体介護や生活援助など必要なケアを行います。利用者の生活に密接にかかわりながら介護するため、信頼関係を築くことができます。自宅での介護は、利用者が慣れ親しんだ環境で安心して生活を続けるためのサポートとして重要な役割を果たします。また、個別のニーズに応じたケアを提供することで、利用者の生活の質を向上させることができます。

まとめ

訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護のプロフェッショナル

訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護のプロフェッショナル

訪問介護員として働くには、介護職員初任者研修を取得し、基本的な介護技術や知識を身につける必要があります。
介護福祉士実務者研修や、国家資格である介護福祉士を取得することで、さらに専門性を高めることも可能です。
過去にホームヘルパーの資格を取得していた方は、資格を活かして働くことができ、ステップアップを目指す際に研修科目が免除されるというメリットもあります。

訪問介護の現場は、利用者の自宅や高齢者住宅、介護施設などさまざまで、ライフスタイルに合わせて働きやすいのも特徴です。
1人での対応が求められる場面が多く、技術や経験が必要となりますが、やりがいをもって働きたい方や1人ひとりとじっくりかかわりたい方にはおすすめの働き方だといえるでしょう。
働く現場によって仕事内容は異なるため、自分の希望する働き方に合わせて、訪問介護の仕事を検討してみてください。

クラウドケアの場合、時給1,500円〜2,000円と、業界でも高水準の時給です。
さらにご依頼によっては、時給3,000円超も可能です。資格をお持ちの方はもちろん、お持ちでない方も大歓迎です。